ミツマルクラフトの制作日誌

元表具師が、表具以外に何かやりたいと思って始めました。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

【表具修理】昔の仕事シリーズNo.006【掛軸】

今回は富士山の掛軸です。 これも全体にシミがついた作品でしたが、紙本だったのでわりとあっさりシミが落ちました。 紙本だからといって、必ずしも汚れが落ちやすいというわけではありませんが、絹本に比べると落ちやすい傾向にあります。 Before After

【表具修理】昔の仕事シリーズNo.005【掛軸】

今回は楷書で読みやすい作品ですが、読めません。ひとつひとつの漢字はわかりますが、どのように読むのかはさっぱり……文字の意味から類推すると、「書道における心構え」的な内容でしょうか。 落款には「尋五 君香森島節子書」とありますので、尋常小学校5…

【表具修理】昔の仕事シリーズNo.004【掛軸】

今回も掛軸です。例によってほぼ読めません。落款の二文字目は「南洲」(西郷隆盛)の「洲」の字に似ているような気がしますが、実際のところよくわかりません。 この作品は絹本で、煙草のヤニか何かで相当変色していましたが、思いのほか綺麗に落ちました。…

【表具修理】昔の仕事シリーズNo.003【掛軸】

今回は鶏の絵。 この作品も洗いをしたらずいぶん綺麗になりました。 あまり白くなると、お客さんによっては「古い味わいがなくなってしまった」と怒られることがあるので、そのあたりは作業前に確認します。ただ、たいていのお客さんは白くなったほうが喜ば…

【表具修理】昔の仕事シリーズNo.002【掛軸】

今回は書です。 ほぼ読めません。 落款には大正丁巳(ひのとみ)とあるので、調べてみたら大正6年(1917年)でした。 仙樵は茶人の「田中仙樵」でしょうか。 長く表具の仕事をしていた割には、崩し字や作家に関しては不勉強で、詳しい情報を提供できな…

【表具修理】昔の仕事シリーズNo.001【掛軸】

最近、御朱印帳の制作に当てる時間を確保できず、なかなかブログを更新するネタがないので、「昔の仕事シリーズ」として、過去の表具修理の記録写真を載せていこうと思います。 この作品は俳画ですが、くずし字が読めなくてどんな俳句なのかわかりません。 …